テーマを絞ったINTERIOR DESIGN
いや、なぜあんなにもたくさん必要なのだろうかと案ずるほどにと言い換えてもよいでしよう。
建築基準法施工令第二十二条によると「外壁の床下部分には、壁の長さ五メートル以下ごとに、面積三〇〇平方センチメートル以上の換気孔を設けること」とされていて、住宅金融公庫の基準金利が適用される高耐久仕様の基準では、さらに一メートル間隔を狭めて、つまりより多く換気孔を設けることを求めています。
これまでの、法律と基準と常識では床下換気孔は、できるだけたくさん設けて、一年中開放しておかないと家を腐らせ、シロアリの被害を受けて耐久性を損なうとされてきたことは、皆様もよりご承知のことでしょう。
床下換気孔も窓と考えてみれば、 一年申開けっぱなしではおかしいということに気づくはず。
ところが、一九九八年十月一日から、防湿性と断熱性を備えた基礎は、床下換気孔を一ヶ所も設けなくてもよいことになくます。
公庫が今回この措置に踏み切ったことには、二つの理由があると思うのです。
一つは、ソーラーサーキットの家造りが提案しているように、床下換気孔は季節によって開け閉めする方が温熱的にも湿気対策上も良好な結果になく、住み心地が良くなることを各地の研究者が実証しっつ着々と実績を積み重ねておりそれをこれ以上無視し続けることは科学の否定にもなりかねないからです。
もう一つの理由は、これからの家造りにとっての最大かつ緊急のテーマは、次世代省エネ基準を実行に移して、地球温暖化防止の京都会議の取り決めにいかにして速やかに貢献するかです。
そのためには、これまでのように家が腐ることだけを恐れて、床下換気孔を広り大きり設けさせて、寒風が床下を吹き抜けているような状態を放置しており事は、何一つ省エネには役立たないので、この際思いきってゼロにしてしまった方がよいと決断したわけです。
季節によって開け閉めすることは、ソーラーサーキット工法を採用しない限りは意味がありません。
しかし、私はたいへん心配なのです。
外断熱二重通気工法だから閉じることがプラスに作用するのですが、グラスウールなどの綿状断熱材を使う内断熱工法がそうすることは、マイナスに作用する恐れの方が大きりて家を腐らせてしまう危険性が一層増すことが明らかだからです。
皆様もご承知のとおり、通気性に乏しい床下は、確実にカビや腐朽菌やシロアリを発生させて、家の耐久性と安全性を脅かし続けていることは厳然たる事実なのですから。
これまで、床下をいかに風通しよりするかに腐心してきたメーカーや工務店の知識と実績と立場は、いったいどうなるのでしようか?この突然の公庫の転換に、いちばん戸惑っているのは大手ハウスメーカーでしょう。
これからは換気孔は不要と言うと、これまでに造ってしまった客からは「私の家の床下はどうなっているの?」と、問い合わせが殺到してくるでしょうし、「基礎の断熱と、防湿さえきちんとやれば省エネで暖かな家になることが分かっていたのなら、なぜ我が家をそうしてくれなかったのか?」と責められるでしょう。
「家造りは従来のままで、床下換気孔をなくしてしまったら、床下によどむ空気は悪さをしないのか?」という質問が相次いだりしてたいへんな騒動になることでしょう。
そこで最近やたらと目に付くようになってきたのが「基礎パッキン工法」です。
それは基礎と土台の間に硬質ゴムや金物など間隔で置いて、通風をよりして土台の防腐に役立てようとするものです。
一見すると換気孔はないのですが、床下は一年中外部の関係ですからへ床下を捨てている内断熱の家の弱点をそのままにしているものです。
基礎と土台の間に隙間をつくるのですから、そこから雨水が侵大しては困るので防虫ネット付きの水切りをつけるのですが、その分だけ通風が悪くなってしまうので、何をしているのかわからなくなってしまいます。
つまり、床下換気をなくしてしまうのは恐い、さくとて従来のまま大きりたくさん開けておくのも時代遅れと言われかねないという自信のなさから、やむを得ずに選択する造り手が増えているというのが実情なのです。
ところで、この工法を勧められたら、床下の断熱の方法について納得できるまで説明を求める必要があります。
そして、断熱工事が終わった時点で、床下にもぐってじっくりと観察し、点検することです。
きっとあなたは、内断熱工法の不合理性に気づいて後悔することになるでしょう。
さて、そのように住宅金融公庫が床下換気孔を設けなくてもよいと認めた以上は、これからわが国の家造りは一挙にその方向に進むことになります。
そうなると、換気孔が一年中口を開けっぱなしの家や基礎パッキンを用いた家は、床下環境がお粗末でエネルギー浪費型の時代遅れの問題住宅というレッテルを貼られてしまう可能性が大です。
しかし、だからといってメーカーや工務店が、土台から上はそのままにして床下換気孔をなくしてしまって、本当にだいじょうぶなのでしょうか?内断熱工法でつくる冬専用の家では、換気孔をソーラーサーキットの家をまねて夏に開けても、それを活かす手立てを持っていませんから、省エネのためには閉め切った状態にしており方が役立つと判断されたわけです。
これから家を造る人がぜひとも知っておかなければならないことは、内断熱工法を選択する以上は、次世代省エネ基準に従って壁の中も一〇〇ミリ厚の綿状断熱材を詰め込んで通気性を否定することになるのですから、床下と壁の中の通気性を失った家は、北海道住宅新聞が警告するようにとんでもない事態になる可能性が強まるということです。
断熱の方法はそのままにしておいて、床下換気孔を不要とすることは、実に危険なことなのです。
しかしながら、ここで公庫が、これまで国が推奨し、ハウスメーカーをはじめほとんどの工務店が使い続けているグラスウールやロックウールという綿状断熱材の持つ宿命的な問題にまで踏み込んでしまうと、現在行われている家造りが大混乱を起こしてしまうことが明らかなので、そこには触れずに省エネを最優先したのでしょう。
何はともあれ、これまでの家造りの常識を一八〇度ひっくり返して、床下換気孔がない方がよいという考えが公認されたのですから、その問題点について「知らない、知らされない」ままに家を建てたのでは、一生の後悔になってしまうことは確かなことです。
七、小屋裏換気孔は必要か?すでに説明しましたが、内断熱工法では二階の天井の上に断熱材を敷き並べて断熱をしますので、小屋裏は外部となくます。
そこに室内側から水蒸気が浸入してくると、結露の被害の例にあったように、屋根下地のところに結露が発生します。
また、梅雨時から夏には、湿気がこもり、暑さで蒸れて木材を傷めます。
そこで床下換気孔の考えと同じように、できるだけ空気の流れが良くなるように換気孔を設けることが必要になるわけです。
ところが、そうすることは小屋裏という家のいちばん高い部分に大きな穴をあけることですから、ホコリが入っていることは我慢するとしても、冬には室内の暖められた空気はそこからどんどん逃げ出してしまい、それを補充するように床下や窓や建物の隙間から冷たい空気が入り込んできて寒くてエネルギー効率の悪い家になってしまいます。
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